遅い訃報

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 「S常務が亡くなったって言ったっけ?」
「ううん、聞いてない…亡くなったの?」

S常務はガンを患ってて、つい1ヶ月前にお見舞いに伺ったオット君
「すっげー痩せて……。」 と言ったきりそのときの様子を思い出したのかことばを失った。
S常務が亡くなる前に、「会社関係にはゼッタイ知らせないでほしい」 という遺言みたいのを残していたそうで、関係者が訃報を聞いたときにはすでに葬儀一切が終わったあとだった。

 「これってサ、迷惑な話だよネ。会社なりのケジメがつけられないジャン!」 というオット君に
「そーかなァ、私はそーゆーやり方があってもいいと思う。」
「でも、まだ会社に籍おいたままだし…」

 S常務の考えは 遠いところを金銭的時間的肉体的…迷惑かけられない。
そう思って 『密葬』 で済ませたかったのだろうと思う。

 わたしも万一のときはS常務と同じにしてもらいたい。
人様には大なり小なり迷惑かけて生きてきたんだから、死んだときまで迷惑かけたくない。
家族だけで送ってもらえたらそれで充分ッ!
『礼服クリーニングから戻ってないしー』 だの 『まいったなァ、この仕事今抜けられないのに』 だの、私のために遠いところわざわざ焼香するためだけに時間を割いたばかりに売り上げが減ったり、仕事が遅れたりしたら 【死んでも死に切れない】 (笑)

 って、オット君によォ〜〜っく言っといた♪

※こんなこと以前にも書いたね σ(⌒д⌒;) 悪ィね