内覧会

PaintBBS0526171834.png

 従妹から悲痛な声で 「父 (叔父) が某葬儀場の 『互助会』 に入って、イチオー満期になったけど、継続する・・・みたいなこと言ってるから、お願い!行って止めるように一緒に説得して」 と電話があったので、指定された某葬儀場に行った。

 そこではなんと葬式の 『内覧会』 みたいのをやってて、わたしが入っていくと白いブラウスに黒のベストスーツを着た女性従業員が10人ほど恭しく出迎えて、その中の一人の女性が自己紹介をし、紙袋に入ったパンフレットみたいのを渡して
「ではこちらへ」 と、案内された方についていくと
廊下の薄型テレビでは死体をお棺に入れてる映像が映し出されていて (-“-;)
「こちらが100人から200人程度入れる式場です♪」 と自慢げに説明しだした。

それからというもの、私のテンション下がりっぱなし
「こちらの棺は15万円ですが会員様ですと3割引でございます♪こちらの骨壷はシノゴノ、精進落としのお料理は・・・あーだこーだ・・・」
(-“-;)  (__) ・・・・・・ ( ̄‥ ̄)

「どうぞ、こちらにお食事を用意しておりますので・・・」
って、そこには一見豪華なお料理が叔父と従妹と私の分が用意されていた。

茶碗蒸しは冷たく、刺身は干からびて、お吸い物の麩は傷んでるようなヘンな味だし。
それでも 「畏れ入りますが、お食事がおすみになりましたらアンケートのほうをお願いします」 だと
料理の不味さを延々と書き並べ、余白に
 『○○ (叔父) は心神耗弱状態で契約したので、互助会を解約させていただきます。従って更新もしません。』 と書いた。
すぐに、さっきの女性より先輩風がとんできて、 「解約したら手数料がとられてもったいないし、せっかくここまで積み立てて・・・シノゴノ」
「いいんですッ!ウチは貧乏なので身の丈に合った葬式します。このクソ叔父がボケまくっていて、子供はこの人ひとりなんです。葬式の前に病気や入院のほうが心配なんです!解約手続き方法を教えてください。」
先輩女性はゴチャゴチャ言ってたが、 「解約手数料なんかいくらかかってもかまいませんッ!」 

結局20%の手数料を取られることになった。
叔父は、その20%が惜しくてしかたがないらしい。
従妹とふたりで 「会葬者が何人来ると思ってンのッ!バカバカしい!葬式よりもお金がかかるのが入院なのッ!」
某葬儀場のパンフレットの裏に 『念書』 を書かせた。

 今後一切、葬儀場の勧誘電話に応じません。お金は銀行に預けます。
  平成18年5月26日  ○○ ○○