汗まみれで卓球から帰ってくると、オット君が待ちかねたように窓から顔を出して
「おふくろが倒れたンだってサ!救急病院に運ばれたけど意識もなくてかなりヤバい状態らしい…今から新潟に行くぞ!」
汗まみれのまま支度を始めるが、オット君の慌てぶりは、もはやパニック状態!
「オレの礼服はどこッ?どこ捜してもないんだけどッ!」
「え?礼服 要るの?」
「要るだろッ!万一ってことあるしッ!(苛々)」
こーゆー時はテがつけられン!なんせテキはパニック中なんだから。
ときどきあるんですよ。
しかし私は数年前に義弟が亡くなった時のことを思い出して
(落ち着いて、忘れ物がないようにバッグに詰めることを考えていた…アホは無視して)
「あった!(礼服)」 ッるっせ~~!
なにが原因であんな高潔なばーちゃんから、こんなク◯なセガレばっかり生まれたンだろ?って、い~っつも思う!
老夫婦の不穏な空気をのせて夕方5時、出発
病院に着いたのは11時を回っていた。
大好きなばーちゃんは腕や鼻にチューブ、酸素吸入のマスクもつけられ大きく息をしていた。
呼び掛けているうちに、熱く息苦しいモノがこみあげてきた。
オット君は「おふくろの最期はオレが看取る」つって、簡易ベッドに泊まるそうで
弟嫁と私、嫁セガレの車でばーちゃんチに帰る。
翌日は3番目の義弟がやってきたので、『看取る』のを弟に譲ってオット君も家に帰る。
医者からは、
「このままです。歩いて帰れることはありません。話せることも意識が戻ることもありません。」
翌日も変化なし
次の日も同じ
マスクを外された。
大好きなお義母さんなのに、私の中で
(いつ死ぬンだろ?まだなのか?…早く死ねばいいのに)という考えが何度も何度もよぎる…そのたびに自分がイヤになる…そしてまた(早く死なないかな)…のくりかえし
そして 『1週間 様子をみる』 結論が出た。
このままで、回復はしないがすぐに亡くなることもなさそう
そして『終末医療ではなく 『看取る?』病院に転院することに収まった。
スーツケースに洗面道具や礼服を詰めたままにしとこうかな =3